なみだ目(大人)
涙がたくさん作られすぎたり、うまく流れなくて涙が目にあふれてしまうことがあります。あふれた涙は、目をうるませ、下まぶたの縁にたまって頬にあふれでてきます。白目の表面やまぶたの裏にある小さな腺は、目を健康で滑らかに保つために常に涙を少しずつ、つくり続けています。涙腺は上まぶたにある大きな腺で、感情や刺激に反応してたくさんの涙をつくります(1日平均2~3ml)。(“なぜ、なみだ目になるのでしょう”を見て下さい)。
1)どんなふうに涙は流れているのでしょうか?
涙は、目の表面をぬらした後、目頭にある小さな孔(涙点)から小さな管(涙小管)を通って涙嚢に入り、さらに鼻涙管を通って鼻へぬけていきます。
泣いたときに鼻がでるのは、あふれた涙が涙の通路を通って鼻に抜けるためなのです。
涙の通路に異常があってなみだ目になる原因は・・・ | 涙が出すぎる原因は・・・ |
■まぶたや涙点の位置異常 ■まばたきがおかしい ■眼窩損傷(骨折、切傷) ■先天性欠損 ■感染(特に涙嚢) ■やけどや放射線照射の合併症 |
■目の表面の異物 ■外気、ばい煙 ■感染、アレルギー反応 ■緑内障 ■疲れ目 ■感情 ■“ドライ”アイ |
2)なぜ、なみだ目になるのでしょう
驚くべきことに、ドライアイではしばしば、流涙を訴えます。涙がとても少ないために目を潤すことができないのですが、これに反応して涙がたくさんつくられ、頬にあふれてくることがあります。
3)なみだ目の原因をどうやってみつけるのでしょう
涙の作られすぎに問題があるのかどうか、眼科医による検査が必要です。涙点から、食塩水を通して涙の通路が鼻まで通っているか調べることもあります。涙の作られる量を測ることもあります。
4)なみだ目の治療法は?
治療法は原因によって違います。逆まつげに当たって涙がでるのなら、当たっているまつげを抜く必要があります。まぶたやまぶたの位置に異常があるときは、手術が必要です。涙の通路がつまっている時には、つまっているところを開けたり、迂回する道を作る手術が必要になります。
手術のタイプはなみだの通路のつまっている部位によって違います。例えば、涙嚢と鼻をつなぐ涙嚢鼻腔吻合手術が必要になるかもしれません。もし、ドライアイが原因なら、人工涙液の点眼や涙点閉鎖が有効です。原因がはっきりしないような場合もありますが、このような場合には、なるべくなみだ目になれていただく必要があります。