網膜色素変性症
1)網膜色素変性症って何?
網膜色素変性症とは遺伝性の病気で、ゆっくりと進行する視力低下を生ずる疾患です。網膜とは眼の内側にあって、脳に映像を送る組織です。網膜色素変性症に罹患すると、網膜の中にある、光を感じる細胞がしだいに機能を失い、その部分が色素に置きかわって行きます。
2)網膜色素変性症の症状は?
夜盲と視野狭窄がもっともよく生じる症状です。通常は若年成人の頃に発症しますが、それ以外でも、全ての年齢層で発症する可能性があります。
一般に人は暗いところへ行っても短時間の内に順応し、物の形を見分けることが出来るようになります。夜盲症の人は、暗所での順応が非常に遅いか、あるいは全く順応できません。視野狭窄が生じると、移動することがより困難になります。
3)網膜色素変性症の遺伝について知ることがなぜ大切か?
網膜色素変性症は遺伝性のものが最も多いですが、その約40%のケースで、患者以外の家族は網膜色素変性症を持っていることを知りません。
遺伝、つまり網膜色素変性症を持つ人々の家族歴についてよく調べることは、罹患した人の病状が今後どのように進行するのかを予見するのに役立ちます。同じ家系の中でも種々の遺伝形式が存在します。
網膜色素変性症を持つ人の子供や孫が網膜色素変性症に罹患する可能性は、網膜色素変性症の遺伝形式にもよりますが、多いものでは50%の可能性があります。遺伝に関する知識は、職業や結婚、子供を持つかどうかを決定するのに役立ちます。遺伝カウンセラーは網膜色素変性症を持つ人たちがそうした重要な決定を行う手助けを致します。