お伺いしたお話から考えますと、おそらく「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と思われます。これは「めいぼ、ものもらい」と呼ばれるものの一つです。「めいぼ、ものもらい」と呼ばれるものは大きく分けると、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)の二つに分けられます。
「麦粒腫」とは、まつげの根本にある脂肪を出す分泌腺(マイボーム腺)にバイ菌が感染して炎症を起こしたもので、まぶたが赤く腫れて痛みとかゆみを伴います。抗生物質の目薬や軟膏をつければ、大抵は短期間で治ります。また、黄色く膿んだ時にはそこを切開し、膿みを出してやると早く治ります。
「霰粒腫」とは、まぶたにある脂肪を出す分泌腺(マイボーム腺)が詰まり、そこに粥状の脂肪が溜まってしこりになったものです。普通は赤くなったり、痛んだりはしません。ただ、そこにバイ菌が感染すると炎症を起こし、赤く、痛む事もあります。
治療は、そのような急性炎症を起こした場合には、麦粒腫の治療に準じて排膿します。痛みなどの症状がない場合でも放置するとしばしば炎症を生じるため、通常は手術治療にてシコリを摘出します。
手術を希望されない場合には、気長に半年ほど抗生物質を点眼するとゆっくりと小さくなることが多く、点眼を継続します。とてもまれですが、「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と似た病気にまぶたの癌である「脂腺癌(しせんがん)」があります。しだいに大きくなってくる場合や、再発を繰り返す場合には癌の検査を受ける必要があります。小児では癌である可能性はまずありませんが成人では注意を要します。
さて、お孫さんの場合ですが、満一歳という事であれば手術を行う際、全身麻酔下で行わなければなりません。全身麻酔によって体にかかる負担等を考慮すると、このまま経過観察とされるのが良いかと思われます。抗生物質の点眼を継続すると、とてもゆっくりですが次第に小さくなっていくと予想されますので、現在の眼科への通院をおすすめします。
文責:関山 英一 アレンジ:外園
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