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ぶどう膜炎

1)ぶどう膜炎とは?

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ぶどう膜とは、虹彩・毛様体・脈絡膜の3つをいいますが主として虹彩に炎症が起こるものを虹彩炎・虹彩毛様体炎・前部ぶどう膜炎といい、主として眼底の奥の脈絡膜に炎症が起こるものを脈絡膜炎や後部ぶどう膜炎と言います。

原因は、細菌・ウイルス、寄生虫などによる感染性のものや免疫異常によるもの、糖尿病などの全身疾患に合併するものなどがありますが、約半数では原因がわかりません。

 

2)ぶどう膜炎の症状は?

ぶどう膜炎が起こると網膜が腫れたり濁ったりしますし、硝子体や前房に濁りがでます。そのために、かすんだり(霧視)、ごみのようなものが浮いて見えたり(飛蚊症)、電灯の周り虹がかかって見えたり(虹視症)、黒目の周りが赤くなる毛様充血や眼痛が起こります。

 

3)ぶどう膜炎の治療は?

一般的には副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤と散瞳剤を使います。ステロイド剤はぶどう膜の炎症を抑えるのに大変有効な薬です。点眼液と内服薬があり、患者さんの症状に応じて使います。ステロイド剤には副作用があり(*)、医師の指導を守って使うことが必要です。自己判断で急に中断すると身体に変調をきたしたり再発したりすることがあります。

*ステロイド剤の副作用には、眼圧上昇(緑内障)、消化器潰瘍、糖尿病、骨粗しょう症 などがあります。
その他、食欲が亢進して体重が増えることがあります。
点眼液では全身的な副作用はほとんどありませんが眼圧が上がることがあります。

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4)代表的なぶどう膜炎

サルコイドーシス サルコイドーシスは全身のリンパ節やいろいろな臓器(たとえば肺・肝臓・脾臓・骨髄など)に塊(結節)ができる病気です。この病気の一部の人には、眼にも小結節ができ、ぶどう膜炎が起こります。胸の中のリンパ節に最もよく結節ができるので、診断を確定するためにレントゲンやCTをとったり、気管支鏡の検査をしたりします。
原田病 原田病ではぶどう膜炎と同時に、めまい・嘔吐・頭痛・耳鳴り・難聴などがおこり、1~2カ月すると頭髪や眉毛が白毛になることがあります。この病気は3~6カ月で症状が治まりかなり良い視力が回復することが多いのですが中には2~3年にわたってぶどう膜炎が続き視力が悪くなることがあります。
ベーチェット病 ベーチェット病は15~40歳の男性に発病することが多く、次のような症状がでます。
1. ぶどう膜炎
2. 外陰部の潰瘍
3. 舌や口唇のアフタ
4. 皮膚の発疹
これらの4つの症状が全部そろうとは限りませんが、何年にもわたってこれらの症状が互いに前後して出現したり消失したりします。この病気はぶどう膜炎の再発が何度も繰り返して起こり、次第に視力が低下することが多く、非常に治りにくいので難病に指定されています。治療及び再発の防止には、コルヒチンやシクロスポリンなどの薬を使います。

ぶどう膜炎は、炎症が治まるまでに時間がかかることが多く、さらに再発を防ぐためには、その後も定期的な診察を受けることが必要な病気です。

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